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インドというあの世への旅

2024年5月 インド2週間の旅

2024年5月、人生で6回目となるインドへの旅。

心のどこかで、インドは私にとって「戻る場所」であり、「深く内側と繋がる場所」だと感じていました。

まるでこの世ではない、あの世のような場所。

毎回、帰ってくると「この度は夢だったんじゃないか?!」と思うくらいのワンダーランド。

本当はインドに2ヶ月くらいゆっくり滞在したいと思っていましたが、今回は事情により2週間という短い時間の旅でした。

2週間の時間をとれるだけでも大いなる幸せです。

5月のインドは暑さのピーク。デリーの気温は42度を超え、観光客も少ないオフシーズン。

そんな時期の旅路が、どんな気づきをもたらしてくれるのか、期待と不安が入り混じった気持ちで出発しました。

成田空港にて

 

旅の序盤、インドとの距離感

 

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まずはデリーから旅が始まりましたが、なぜか今回はインドにフィットしない感覚がありました。

いつもなら自然と馴染むはずの空気や匂い、人々の喧騒。

部屋や行く先で瞑想をしても、集中できない。

高揚感はありつつも、違和感を覚え、心が落ち着かないのです。

「自分も年をとって変わってしまったのか?」など、何とも言えない不安。

肉体的にも精神的にも、「自分は本当にこの大地に迎えられているのか?」と疑問を抱くほどでした。

短い旅の中でこの違和感が少し続くことへの焦りもあり、旅の序盤はどこか苦しいものでした。

 

ヒマラヤの麓での葛藤

デリーから夜行バスで約9時間。

 

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旅の前半に訪れたヒマラヤの麓の街・マニカラン、カソール、プルガは、自然溢れる素晴らしい村々です。

マニカラン村は天然の温泉があり、温泉に癒されながらのんびりしていました。

 

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知り合った親切なインド人の友人とバイクで山に連れていってもらったり、とても良い時間を過ごしました。

 

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知り合ったインド人とトレッキング

 

でも、なんだかゆっくりできない感覚でした。

河原や山で瞑想や呼吸をおこなっても、なんだかフワフワする感覚。瞑想状態に入りきれない感じがしていました。

そして、この付近のエリアで、ちょうど このタイミングでクラブ音楽の大きなトランスイベントが開催されるようで、イスラエルの方、ヨーロッパの方が大挙して街にやってきて、街は騒がしく、ホテルは満室が多く値上がりし、求めていた静寂で神聖な感じとは少し違っていました。

それはそれで音楽イベントを楽しまれる方がいて良いのですが、自分がインドに求めるものとは違ってしまいました。

街を移動するべきか、どうするか?

旅の時間は少ない・・・。

限られた旅の時間の中で自分の求める「癒し」や「静けさ」に辿り着けないもどかしさに苛まれました。

 

マナリで蘇った心

意を決して、バスで5時間ほどかけて、マナリという場所へ向かいました。

その時の気持ちを、旅中で書いた日記にこう記しています。

「インドに歓迎されていないんじゃないかと思うくらい。インド引退も考えた。
カソール、プルガでの挫折。
でも、思い切ってマナリに行き先を変えてよかった。よみがえった。求めていた静けさ。自由さ。ヒマラヤのアザーサイド。
自分の大切な場所。」

 

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マナリに着くと、心が驚くほど軽くなりました。

マナリもヒマラヤの麓の街ですが、若干高度が低く、市街地も近くにある落ち着いた場所です。

2017年にも一度訪れた大好きな場所です。

静寂と利便が合わさって、なおかつ神秘的な霊的な気づきが多くある場所でした。

ご飯も美味しい!

ここにも温泉がある!

音楽イベントやイスラエルの方やヨーロッパの方は、ほとんどおらず、マナリのヒマラヤの雄大な景色に包まれながら、静かな自由を感じることができたのです。

マナリはまさに「自分が戻るべき場所」のようでした。

自然の中に身を置き、心が再び満たされていく感覚は言葉にできないほどのものでした。

現地で知り合ったインド人の友人らと楽しく過ごしたり、床屋で散髪したり、すごく解放された良い時間を過ごせました。

ヒマラヤを眺めながら、部屋の前で深い落ち着いた瞑想ができました。

静かに自分の内側の喜びとつながる感覚。

「私はただここにいる」

インドの床屋

マナリで仲良くなったインド人

 

旅の後半に得た気づき

旅の終わりが近づくにつれ、「終わりがあるからこそ美しい」という感覚が心に湧き上がってきました。

日記にはこう記してありました。

「有限で終わりがあるから、美しい瞬間だという事、朽ちることも美しい。
永遠の魂から見ると不思議。」

 

そして、ヒマラヤの懐でこうも感じました。

「なんて幸せな時間。ヒマラヤに抱かれて生きている。生きてきた。
今回の旅で三転生くらいした感じだ。
自分の中にある愛を確かめるのにベストなタイミングだった。」

 

旅の最後、リシュケシュの輝き

今回のインドの旅の最後、無理な日程ではありましたが、どうしても最後に訪れたかった場所――リシュケシュへ足を運びました。

マナリから夜行バスで約10時間ほど。

このガンジス河沿いの聖地は、私にとって特別な場所です。

2006年、2012年、2017年と訪れてきた場所であり、毎回同じ宿に滞在することを決めています。今回も変わらず宿のご主人が元気で迎えてくれたことに、何とも言えない安心感を覚えました。

宿屋のご主人の12年

2006年も、2017年も最後はリシュケシュの街でした。

夕陽に照らされる聖地・ガンジス河は美しい輝きを放っていました。

 

自分の歩みを確認する場所

 

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リシュケシュは、自分の成長や歩みを確認できる、大切な地です。

過去に訪れるたび、違う自分でここに戻ってきました。

どの時も、自分がどこまで成長したのか、何を学び、何を手放してきたのかを確認する場所となってきたのです。

また、この地に強く惹かれるのは、過去世での最期もここリシュケシュで迎えたという感覚があるからかもしれません。

自分の魂のセーブポイント、それがインドのリシュケシュです。

そんな運命的な場所に、再び自分の足で訪れられたことは、この旅の締めくくりとして最もふさわしいものでした。

 

 

ガンジス河での沐浴、そして感謝

リシュケシュでは、祈りと共にガンジス河での沐浴を行い、自分や身近な人たちを浄化する時間を取りました。

 

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神聖な河の冷たい水に触れるたびに、今までこだわっていた不要な葛藤が、河の水に溶けて流れていくようでした。

ガンジスに浸り、この地で旅を終えることが、やはり感慨深い。

自分は、この人生をしっかりと歩んできたんだという深い承認の気持ち。

このインドでの2週間の旅は、改めて私に多くの気づきと癒し、そして人間の、人生の、魂の奥深さを思い出させてくれる貴重な時間でした。

改めてこの旅を導いてくれたインドという地と自分自身に感謝を捧げます。

 

旅の終わり、現地で書いた日記にはこう書いてありました。

「かえってきた。もどってきた。
インドが洗ってくれた。
すばらしきを与えてくれた。
インドが私を受け入れた。迎えてくれた。」

インドが私を優しく包み込んでくれたような感覚を覚えました。

 

 

日本の日常へ戻る

インドという「戻る場所」が与えてくれた素晴らしい時間。

2週間という時間ですが、インドでの旅を終え、再び日本の日常へと戻ってきました。

まるであの世から、この世へ戻ってきた感じでした。

3回くらいの転生を体験したような濃厚な瞬間でした。

この旅は、自分にとって愛や命、そして魂の深さを改めて感じさせてくれる時間でした。

インドはいつでも私に「自分を思い出す場所」を与えてくれます。

日本に戻り、また日常へと戻っていきました。

歩んできた道と歩んでいく道。

旅の心は、常にどこでも持ち歩きたいと思います。

 

 

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